霧(きり)を掴むような話というと、掴み所のない、 歯切れの悪い、要領を得ない、のらりくらりとした… と碌な意味ではない。
霞(かすみ)を食うのは仙人で、浮世離れしたとか、 お金がないみたいだけど、何を食べて生きてるのだか?みたいな…
霧は食べるのに向いていないのか?
気象庁の定義によると、霧は
微小な浮遊水滴により視程が1km未満の状態。
だそうだ。五里霧中という四字熟語があるが、一里が約4kmと すると、20kmくらい視界がない状態なのか? マイルストーンのことを一里塚と訳したりするが一里は約2.5マ イルらしい。話が逸れた。
では、霞(かすみ)はどうか?
実は、 霞は気象現象としては定義されていない。 つまり霞と呼んでいるものは霧なのだ。
似たようなものに、靄がある。では靄は?
微小な浮遊水滴や湿った微粒子により視程が1km以上、10km 未満となっている状態。
どうやら霧のうすいやつのようだ。 モヤモヤするというのは靄々なのだろうか?
俳句の季語だと、霞は春の季語で、霧は秋の季語になっている。 たしかに春霞というし、春っぽいな。しかし、それだと、 仙人は春しか食料がないことになる。
気象用語としてなら、雹と霰も気になる
雹(ひょう) 雲から落下する白色不透明・半透明または透明な氷の粒で、直径が 5mm未満のもの。
霰(あられ) 雲(特に積乱雲)から降る直径5mm以上の氷塊。
となっている。
霙(みぞれ)は、雨混じりの雪。
霞と違って霙は仙人でなくても一般人でも食べられる。かき氷の「みぞれ」は透明な糖蜜の掛かったやつだ。
砂(すな)と礫(れき)の境い目も気になる。どうやら、
粒の直径が2mmを超えて握りこぶしくらいまで
が礫であるらしい 。
では、それより大きくなったら…石?岩?
石とは…砂より大きく岩より小さいもの…へ?
拾って動かせるのが石、大きくて埋まってて動かないのが岩?
国歌「君が代」に、こんなフレーズがある
細石(さざれいし)が 巌(いわお)となりて苔のむすまで
?? 岩が崩れて石になりやがて砂になるのが自然な気がするが… エントロピー増大の法則とか…
一切が砂粒と化して、 それが堆積してまた堆積岩になるくらい地質学的な長い時間という ことだろうか?
なんだか悠久の時が流れる壮大な話になってしまったので、 もう少し、身近なサイズにしよう。
問題は、素麺と冷麦である。コンビニでさえ、 別パッケージで販売されている。
これは食料品だから、JAS(日本農業規格)、農林水産省の管轄であろう。
素麺 径1.3mm未満
冷麦 径1.3mm以上 1.7mm未満
とある。
なにやら、スパゲッティとスパゲッティーニの関係のようだ。
1.7mm以上はどうなるなんだ?それは、 うどんである。
素麺を温かい汁で食べると、煮麺(にゅうめん)であるが、 冷麦は「冷」と書いてるから冷やし専用なのか?
だが、ネットに公開されているレシピを見ても「温かいひやむぎ」 と書かれている。平仮名で誤魔化されている。
その昔、小麦粉を練って作った生地を切った麺を「切麦( きりむぎ)」と呼び、それを温めて食べるのを「熱麦(あつむぎ) 」と呼び、冷やして食べるものを「冷麦(ひやむぎ)」 と呼んでいたらしい。今で云う冷製パスタといったところか。 いつしか「熱麦」は、ふつうに「饂飩(うどん)」に吸収され、「 冷麦」だけが残ったという…
きつねだ、たぬきだ、となると、また長い話になるので別の機会に