ちがいのわからぬをのこ

違いが分からぬので調べる。暇か?

それは、ざるそばではない

夏場はよく、 昼ごはんを社員食堂のもりそばばかり食べている時がある。 他のメニューの窓口が大して御馳走でもないのに行列になるのが許し難いのである。そばコーナーは、元々並ぶ人が少ない上、 給仕する側も回転が良いので、 並ばなくて済むからである。
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もりそばは、盛り蕎麦であろうから、盛ってるのである。 盛り蕎麦の大盛りと言われると盛り盛り感が増し増しである。

 

どうみても、「もりそば」にしか見えないのに、「ざるそば」 という商品名で売っている店舗もある。どう見ても、その器は、 断じて笊(ざる)ではない。せいろみたいであるが、 下から蒸気が抜ける構造ではないし、蒸して作るのでなくて、 茹でた蕎麦を乗せているに過ぎない。お約束が過ぎて、 今ではあの手の器は「そばせいろ」として売られていたりする。

 

ちょっと高級な振りをして、鴨肉なんかが使われていたら「 鴨せいろ」として売られている場合もあるが、おそらく、 その多くはフェイクセイロにのっている茹で蕎麦である。

 

なにやら蕎麦業界の人らしい方のサイトの記事によると、その昔、 二八蕎麦が普及するまでは、蕎麦といえば十割蕎麦で、 十割蕎麦は茹でるとボソボソ小間切れになってしまうので、 せいろで蒸して提供されていたらしい。その名残りで、今でも、 茹でてるのに、 せいろのようなものに乗せて提供する店舗が多いということだ。

 

せいろに乗ってるのは簀(す)とか簾(すだれ)と呼ばれるもので、 決して笊ではない。笊は竹(金属・プラスチック) を交差するように編んで作った器である。
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だがしかし、周りの人に聞いてみたら

・ざるそばの方が、そばが高級

・ざるそばの方が、そばつゆが高級

・ざるそばは、刻み海苔が乗っている

という意見ばかりで、誰も器の話をしない。何故だ? ザルの問題がザルのようにスルー…

 

そばつゆにワサビを溶くのか?溶かないのか? という議論以前の問題である。

 

だがだがしかし、 いわゆる街中や駅中のそばチェーン店のメニューを見ると、 どうみても器はフェイクセイロで、刻み海苔が乗っているだけで「 ざるそば」を名乗っているものが少なからずある。 あろうことか海苔がないだけで「もりそば」 が併記されてる店もある。

 

そういったチェーン店のうちの一つ「ゆで太郎」 さんに問い合わせたところ、以下の回答であった。

 

お問い合わせの「もり」と「ざる」の違いですが、

「ざるそば」はもりそばの上に刻みのりをのせたものです。

ご存知でしたら申し訳ありませんが、ゆで太郎

① 信越食品 http://www.yudetarou.com/

② 株式会社ゆで太郎システム http://yudetaro.jp/

の2社にて展開させていただいております。

「ざるそば」は信越食品店舗で販売しております。

今後共、ゆで太郎 ご愛顧の程宜しくお願いいたします。

私が器が笊じゃないじゃないかと主張しても世間の風向きは変えようがないようである。
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