「ホットドッグ」のことを最後の濁点を忘れて、「ホットドック」 という人がいるが、それではパソコン業界などで、 電源を入れたまま周辺機器を抜き差し出来る"hot docking"の略になってしまう。
似たような事情に、 某家電量販店のことを「ビッグカメラ」と言ってしまったり、 某ファーストフードのハンバーガーを「ビックマック」 と言ってしまったり、紅茶を入れる時の例のアレを「ティーバック」 と言ってしまってお尻が紐なパンツになってしまったりする例が後を絶たない。「ハンドバック」では手の甲みたいではないか。
よくある誤解に「昔は犬の肉が使われてたらしいよ」 というお約束の噂話はあっても、おそらく、 それを信じている人はおるまい。 あの中に入ったフランクフルトソーセージの形がダックスフントに似ていることから、ホットドッグになったらしい。その昔は「 レッド・ホット・ダックスフント・ソーセージ」 という商品名だったそうだ。
そういえば、ダックスフントも「ダックスフンド」 と呼ぶ人もいるが、これはあながち間違いではなくて、 ドイツ語読みだと濁らず「フント」で、英語読みだと「フンド」 となるということだ。近頃は、みんな省略して「ダックス」 と呼ぶことが多いから気にしてないかもしれない。なお、 ドイツ語で"dachs"が「穴熊」、"hund"が「犬」の意で、あの体形は、穴熊猟のために品種改良で生まれたからだ。
ホットドッグの、そのダックスフントのようなもの… フランクフルトソーセージである。 フランクフルトはドイツの都市の名前だ。ドイツと言えば、 ソーセージとジャガイモとビールで生きている国だ(←偏見です) 。 ドイツの都市ならバイエルンという名のソーセージもあった気がす る(アルトバイエルンは伊藤ハムの商品名です)。じゃぁ、 ウインナーはウイーンに由来するなら、 ドイツでなくてオーストリアである。誰もが「 ウインナーコーヒー」の名を初めて聞いた時は、 コーヒーに使ったウインナーの絵を頭に浮かべたはずだ。
では、 フランクフルトとウインナーの違いは原産地というか発祥地の違い なのか?確かにウインナーはウイーン発祥とも言われるが、 どうやら製法やそれに伴う大きさの違いから来るらしい。
ウインナー:羊の腸に肉を詰めたもの
フランクフルト:豚の腸に肉を詰めたもの
ボロニア:牛の腸に詰めたもの
ボローニャはイタリアの都市である。
しかし、今時、リアルに動物の腸を使った腸詰めもなかろう。
ということで、日本の商品についてはJAS(日本農林規格)で、 こう規定されている。
ウインナー:直径20mm未満
フランクフルト:直径20mm以上36mm未満
ボロニア:直径36mm以上
ボロニアが際限なくデカくなっても良いのか? という疑問がないではないが、そういうことになっている。 ソーセージは腸詰の総称である。
P.S. ドトールにはジャーマンホットドックというメニューがある
P.S.2 「ホットドック」は"hotdog"のドイツ語読みという説がある
P.S.3 アメリカにアメリカンコーヒーがないくらいに、ウイーンにウインナーコーヒーはないらしい